仏壇を手放す前に知っておきたい!|処分方法と注意点

更新日:2024年10月31日

仏壇を手放す前に知っておきたい!|処分方法と注意点

近年、生活スタイルの変化や住環境の制約により仏壇の処分を検討する方が増えています。特に、引っ越しに伴い仏壇を置くスペースが確保できない場合や仏壇を継承する親族がいない場合、遺品整理によりやむを得ず処分を考えるケースも少なくありません。

仏壇処分を検討する際に知っておきたい基本的な処分方法や、処分にあたっての注意点などについて解説します。仏壇を手放す際に迷わないために、ぜひ参考にして下さい。

1.仏壇を処分する方法

①菩提寺・お寺に依頼する

仏壇の処分は菩提寺や近隣のお寺に依頼する方法が一般的です。菩提寺に依頼すれば供養から処分まで一括して対応してもらえることが多いため、まず一度ご相談されることをおすすめします。ただし、最近では環境問題などにより仏壇の焼却を行わない寺院も増えています。閉眼供養のみで仏壇の廃棄は受け付けていない場合もあるため事前確認が必要です。また、宗派が異なる場合は引き取りを断られることもあるため、同じ宗派のお寺に相談すると良いでしょう。

②仏壇・仏具店に依頼する

多くの仏具店では仏壇の引き取りサービスを提供しており、閉眼供養から処分まで一括して行っています。さらに、一部の仏具店では仏壇の搬出作業も行ってくれる場合があります。ただし、処分費用に加えて運搬費がかかることもあるため、費用については事前に確認が必要です。また、仏壇の引き取り条件として新しい仏壇の購入が必要な場合や、同時購入により処分費用が割引されることもあります。
仏具店のサービスは宗派を問わず利用できるため、手軽に供養と処分を依頼できる点もメリットです。

③粗大ごみとして処理

仏壇の処分は一般廃棄物として自治体の粗大ごみ回収で対応可能ですが、大型で重量がある場合は自治体によって処分ができないこともあるため事前確認が必要です。また、仏壇のサイズや自治体により処分手数料が異なります。小型の仏壇であれば自分で解体し、燃えるゴミとして出すことも可能です。

自治体の粗大ごみ収集を利用する際は指定された収集場所に仏壇を搬出する必要があり、特に大きな仏壇の場合は運び出すのが困難なことも考えられます。また、仏壇の処分前には必ず閉眼供養を行うことを忘れないようにしましょう。

④業者に依頼する

不用品回収業者や遺品整理業者に依頼すれば、ほとんどの物を回収・処分してもらうことができます。特に大きくて重たい仏壇などは運ぶのが大変ですが、業者に依頼することで搬出作業から行ってもらえるため手間をかけずに処分することができます。

処分前に供養を行ってくれる業者もありますので、安心して利用することができます。仏壇の閉眼供養と廃棄処分を一括で引き受けている業者もあるため、手軽に利用できるのが魅力です。

⑤買取業者やリサイクルショップに持って行く

仏壇の買取は状態や種類によって異なり、高品質な木材や金箔を使用した仏壇であれば価値が認められ買い取ってもらえる可能性があります。しかし、中古の仏壇を求める購入者が少ないため買取価格は一般的に低めです。特に大型の仏壇は移動コストがかかるため品質が良くても買取が難しい場合があります。また、リサイクルショップの多くは仏壇の買取に対応していないため、事前に複数の店舗に問い合わせるのが良いでしょう。

仏壇の買取を依頼する際にはリサイクル業者が「魂抜き」まで対応していないことが多いため菩提寺に事前に依頼しておくことをおすすめします。

2.仏壇の処分費用

菩提寺・お寺に引き取ってもらう 1~10万円
仏壇・仏具店に引き取ってもらう 2~8万円
粗大ごみとして処分する 500~3千円
業者に依頼する 1~10万円(魂抜きの供養など含む)
リサイクルショップに持ち込む 買取価格が発生する場合もあり

ただし、上記はあくまでも目安でしかありません。
依頼する際には上記の金額を超えた金額を請求されることもありますので、事前にご確認ください。

3.仏壇処分の注意点

大切なご先祖様や身近な親族をお祀りしている仏壇の処分には様々な方法がありますが、どの方法を選ぶにしても仏壇を処分する前に注意しておきたい点があります。

  • 閉眼供養(魂抜き)を忘れずに行う
  • 宗派や自治体のルールを確認する
  • 事前に家族や親族に相談する
  • 仏壇の中に物が入ってないか確認する
  • 仏壇は丁寧に扱う

閉眼供養(魂抜き)を忘れずに行う

仏壇を処分する際は故人や先祖の魂が宿っていると考えられているため、「閉眼供養(魂抜き)」を行うことが大切です。閉眼供養は、仏壇に宿っている故人やご先祖様の魂を抜き、その役割を終わらせる法要で、「御魂抜き」や「お性根抜き」とも呼ばれます。この供養を忘れると魂を残したまま仏壇を処分することになってしまいます。

また、ご本尊や位牌、遺影、掛け軸も一緒に祀られていた場合、それらも閉眼供養を行い、できればお焚き上げをお願いするのが望ましいとされています。宗派によって供養の方法が異なるため、まずは菩提寺や同じ宗派のお寺、または仏壇・仏具店に相談して適切な手続きを進めましょう。

宗派や自治体のルールを確認する

仏壇の処分方法は宗教や宗派によって異なるため、自分の宗派のルールに従うことが重要です。自分がどの宗派に属しているか分からない場合には、菩提寺に相談するのが安心です。同じ宗派でもお寺ごとに住職の方針が異なることがあるため、処分に際しては菩提寺に確認を取ると良いでしょう。また、宗教や宗派ごとの供養の方法も異なるため菩提寺や同じ宗派の寺院、または仏壇・仏具店に相談し、正しい手順で進めることが大切です。

さらに、仏壇を処分する際には自治体の処分ルールにも従って地域ごとの規定に沿って処理を進める必要があります。正しい手順を踏み、宗教のルールを尊重しながら処分を行うことで適切な形で仏壇を供養できるように心がけましょう。

事前に家族や親族に相談する

仏壇を処分する際は、必ず事前に家族や親族としっかり話し合い、全員が納得した上で進めることが重要です。仏壇は故人や親族にとって特別な意味を持つ場合があり、勝手に処分してしまうとトラブルに発展する可能性があります。親族や故人と縁のある方々にも連絡し、処分に対する了承を得ておくことが大切です。中には、仏壇の引き取りを希望する人や処分に反対する方もいるかもしれませんので慎重に対応しましょう。

仏壇の中に物が入ってないか確認する

仏壇を処分する際には、仏壇の中に大切なものが入っていないかを十分に確認することが大切です。仏壇には複数の引き出しがついていることがあり、位牌や遺影、通帳、家系図や家宝など、貴重品が収納されている場合があります。特に、長年使われてきた仏壇には隠し収納がついている場合もあり、気付かずに大切な物が残っているケースも少なくありません。普段はあまり開けることがないため、親が収納していた貴重品に気付かないこともあります。仏壇を処分してしまってからでは戻ってこない可能性があるため、処分前には複数人でしっかり確認すると安心です。また、仏壇だけでなく経机や周囲の仏具も忘れずに確認することを心がけましょう。

仏壇は丁寧に扱う

仏壇を処分する際は、最後まで丁寧に扱うことが大切です。たとえ閉眼供養を行った後であっても、仏壇はこれまで故人を偲ぶために長年使用されてきた大切なものです。そのため、処分を決めた後でも敬意を払い、粗末に扱わないよう心がけることがマナーです。仏壇の作りは繊細なので雑に扱うと破損の恐れがあるため注意が必要です。また、人によっては仏壇を粗末に扱うことに不快感を覚える場合もあるため、周囲への配慮も大切です。特に、仏壇を買取業者に依頼する場合はキズや汚れが付くことで買取価格が下がる可能性があるため、きれいな状態を保つように心がけましょう。

4.まとめ

仏壇を処分する際、故人や先祖を偲ぶ気持ちは決して変わりません。引っ越しや買い替えなど、様々な事情で仏壇の処分が必要になることもありますが、罪悪感を抱く必要はありません。大切なのは、菩提寺や専門家に相談して正しい手順で敬意を持って進めることです。正しい方法で行えば問題なく役割を終えることができます。ご家族やご親族の意向を尊重しつつ、僧侶や専門業者の助けを借りて、納得のいく形で最後まで敬意を払いながら処分を進めることが重要です。

仏壇を処分することに後ろめたさを感じる方もいるかもしれませんが、ご先祖様も理解してくださるでしょう。心を込めて、丁寧に進めていきましょう。

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