そのまま流す?色んな液体ゴミの捨て方を解説

更新日:2024年11月14日

そのまま流す?色んな液体ゴミの捨て方を解説

賞味期限切れの調味料、使い終わった古い油といった”液体のゴミ”の捨て方に迷うことはありませんか?

液体ゴミを捨てるとき「いつもモヤモヤしてしまう」「調べてもイマイチ分からない」という方に向け、今回は身の周りにあるさまざまな液体の正しい処分方法についてご紹介します。

1.液体ゴミをそのまま捨てるとどうなる?

液体が入ったままゴミとして捨ててしまうと、以下のような危険があります。

  • ・収集車に詰め込むときにゴミ袋や容器が破裂する
  • ・近隣の住宅、通行人、作業員の方に飛散する
  • ・周辺の汚れや異臭、怪我や事故の原因になる

さまざまな自治体で液体ゴミを出す際の注意を呼び掛けています。できるだけ中身を使い切ってから捨てるか、容器を空にしてからゴミに出すようにしましょう。

【参考】 福岡市「液体物をごみ袋に入れないでください!」

2.液体ゴミは流してもいいの?

いらなくなった液体は「普段洗い物をするキッチンシンクに流せば大丈夫」と思う方もいるかもしれません。ですが、キッチンシンクに何でも流して良いわけではありません

家庭から排出される水は、すべて水道管を通り、処理場で適切に処理されてから川や海に放流されます。トイレやお風呂など、家のどこで流しても行き着く先は同じです。

排水口に流してはいけないものを流してしまうと、臭いや汚れが発生し、設備の故障や設備の寿命を縮める原因となります。それだけでなく、環境にも悪影響を及ぼす可能性があるので、正しい処理方法を守りましょう。

3.液体ゴミの処分方法

それでは、迷ってしまいがちな液体の処理方法についてそれぞれ詳しく解説していきます。

①醤油・みりん・酒などの調味料

醤油やみりん、ドレッシングなどの調味料は、塩分濃度が高いため、そのまま流すと水質汚染につながります。そのためシンクなどに流して捨てるのはNGです。

  • ①ビニール袋や牛乳パックに新聞紙を敷き詰める
  • ②流し入れ、染み込ませる
  • ③漏れ出ないように封をする
  • ④燃えるゴミとして処分する

調理後の煮汁や、余った刺身醤油なども同じです。少量であっても洗う前に、一度ふき取るなどすると良いでしょう。

②ケチャップ・マヨネーズ

ケチャップやマヨネーズといった粘度が高いものを流すと、環境への悪影響や詰りの原因になります

  • ①紙や新聞紙を広げ中身を出す
  • ②包んだあと漏れ出ないようビニール袋に入れる
  • ③燃えるゴミとして処分する

その他にもジャムやソース類など、粘りがある調味料はこの方法で捨てることができますよ。

③油

サラダ油・オリーブオイル・ごま油など種類に限らず、油を流して捨てるのはやめましょう。

環境への影響はもちろん、油は冷えると固まる性質があります。流してしまうと配水管に付着したまま残り、さらに後から流れてくるものがくっついてしまい、配水管の詰まりの原因となります。

  • ①ビニール袋や牛乳パックに新聞紙を敷き詰める
  • ②流し入れ、染み込ませる
  • ③漏れ出ないように封をする
  • ④燃えるゴミとして処分する

他にも油凝固剤や油吸収パッドを活用したり、食用廃油の回収などを利用して処分ができます。調理後のフライパンなどについた油も、キッチンペーパーなどでふき取ってから洗うようにしましょう。

④レトルト食品

容器の中身が液体・固形に関わらず、捨てる時は中身を出して処分しましょう。レトルト食品は、固形物や油分が含まれるため、当然流して捨てるのはNGです

  • ①ビニール袋に、新聞を敷き詰める
  • ②中身を流し入れ、染み込ませる
  • ③漏れ出ないようにしっかりと封をする
  • ④燃えるゴミとして処分する

賞味期限がかなり過ぎている場合は、中身が腐敗している危険もあります。賞味期限切れのレトルト食品を開封する際は、床に新聞紙を敷くなどの飛散防止対策や換気を十分にしてください。

⑤お酒・ジュースなどの飲み物

ジュース・コーヒー・お茶など、飲料水はそのままシンクに流して捨てても問題ありません。

ビールや日本酒といったお酒も、同様に流しても大丈夫です。ただし一度に大量に流すと臭いなどで気分が悪くなることもあるので、蛇口の水を流しながら流したり、十分換気をして処理しましょう。

⑥液体洗剤

洗濯用洗剤・食器用洗剤・掃除用洗剤といった液体洗剤は、少量であれば、水で薄めながら流せば問題ありません。ただし大量になる場合は、新聞紙などに染み込ませて処分するのが理想的です。

  • 二重にしたビニール袋に新聞紙を敷き詰め、染み込ませてから処分する
  • 水を流し、薄めながら流して処分する

注意すべきなのは、塩素系洗剤です。塩素系洗剤は酸性洗剤と混ざると有毒なガスが発生します。また、原液のまま流すと配水管が痛む恐れもあります。

液体洗剤を処分するときは、必ず一種類ずつ、それぞれ分けて処分しましょう。

⑦シャンプー・コンディショナー

毎日使っている程度のシャンプー・コンディショナーを流して捨てるのは問題はありません。ただし、大量の原液をそのまま流して捨てるのはやめましょう。粘り気がある液体なので髪や汚れと絡まり、詰りの原因になります。

  • ①二重にしたビニール袋に、新聞紙を敷き詰める
  • ②中身を流し入れ、染み込ませる
  • ③漏れ出ないようにしっかりと封をする
  • ④燃えるゴミとして処分する

⑧アルコール消毒液

アルコール消毒液は、揮発性があり引火しやすい物質です。そのまま流すと配水管の中で火災が起きる危険があるので、絶対にやめましょう。

  • ①新聞紙や雑巾などの布に染み込ませる
  • ②しっかりと乾かす
  • ③乾いたことが確認できたら燃えるゴミとして処分する

ジェル状の消毒液も同様の手順になります。作業をする際は危険ですので、火の気がなく、十分に換気できる場所で行ってください。

⑨目薬・シロップ薬・栄養ドリンク

目薬やお子様が風邪をひいた時に処方されるシロップ薬など、医薬品などの化学物質は、環境や生物にとって有毒な成分も少なくありません。そのため市販薬であっても薬は、燃えるゴミとして処分するのが望ましいです。

  • ①新聞紙などに染み込ませる
  • ②ビニール袋で包む
  • ③燃えるゴミとして処分する

栄養ドリンクも同様で、特殊な成分が含まれているためそのまま流して捨てるのはやめましょう。もしわからないことがあれば、薬局などに直接相談することもできますよ。

⑩マニキュア

マニュキュアは水に溶けない物質のため、そのまま流してしまうと詰りの原因になります。きちんと処理をして処分をしましょう。

  • ①新聞紙に出す、綿棒などでかき出す
  • ②染み込ませ、十分に乾かす
  • ③燃えるゴミとして処分する

中身の液体が固まっている場合は、除光液を使って固まった部分を溶かすといいですよ。

除光液の処分には要注意

  • マニュキュアを落とすのに使用する除光液は、引火の危険だけでなく、刺激臭など人体への悪影響があります。火の気がなく課税通しの良い場所で作業し、新聞紙などに染み込ませ、よく乾燥させてから燃えるゴミとして処分しましょう。

⑪香水

香水の主成分はアルコールなので、発揮性が高く引火の恐れがあります。また油分も含まれているため、そのまま流すと配管に臭いが染みついてしまいます。

  • ①新聞紙や雑巾などの布に染み込ませる
  • ②しっかりと乾かす
  • ③乾いたことが確認できたら燃えるゴミとして処分する

アルコール消毒液などと同様、火の気がなく、風通しの良い場所で作業を行いましょう。

⑫除湿剤

除湿剤の容器にたまった液体は、塩化カルシウムの水溶液です。中身はそのまま捨てることができるので、水に流しながら流しましょう。

成分が残るとサビの原因になるので、残らないようにしっかりと水で流すようにしてください。

ゼリー状になったものも、そのままゴミとして捨てることができますよ。ただし、肌に刺激を与えることがあるので、捨てる際は手袋などを使うようにしましょう。

4.液体ゴミを捨てる時に便利なアイテム

ご紹介してきたように液体ゴミは、紙や古布などに染み込ませ、漏れ出ないようビニール袋などに入れ処分するというのが基本になります。

液体ゴミを捨てたいときは次のアイテムがあると便利です。どれも簡単に手に入るので、日頃からストックしておくのがおすすめです。

  • ・新聞紙やチラシ
  • ・キッチンペーパー
  • ・古いタオルや布
  • ・ビニール袋
  • ・牛乳パック
  • ・ガムテープ
  • ・おむつやペットシート
  • ・市販の凝固剤、片栗粉
  • ・吸水ポリマー(高吸水性樹脂)

油の凝固剤

よく揚げ物調理をする方には、定番の油凝固剤をストックしておくのもおすすめです。100円ショップ・スーパー・ネットで手軽に手に入りますし、調理後に溶かすだけでよいので、他のアイテムを用意する必要がないのも嬉しいポイントです。

吸水ポリマー

吸水ポリマーとは、水分を吸収するとゼリー状に固まる合成樹脂のこと。おむつや保冷剤などに用いられ、単体でネット購入できます。少量で多くの水を吸収し、漏れ出る心配もなく、液体処理に便利です。災害時での簡易トイレや、キャンプで残り汁処理など活躍するシーンも多く、あると便利なアイテムの一つです。

まとめ

今回は、さまざまな液体の捨て方についてご紹介しました。普段何気なく流して捨てているものの中にも、流してはいけないものがあるかもしれません。ぜひお住いの自治体の処分方法をチェックしてみてくださいね。

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