更新日:2024年12月10日
「空き家になった実家にいつの間にかゴミが溜まっている!」そんな時はどうすればよいのでしょうか?
捨てられたゴミの片付けは誰がするの?警察や自治体が片付けてくれるの?など、空き家の不法投棄に関する疑問やお悩みについてまとめました。
ルールで決められた以外の道路や公園、他人の土地などに廃棄物を捨てる行為を不法投棄といい、こういった行為は廃棄物処理法で禁止されています。空き缶やたばこのポイ捨ても、不法投棄に含まれます。
空き家に他人が勝手にゴミ捨てるという行為も当然不法投棄であり、廃棄物処理法の違反で「5年以下の懲役若しくは1千万円以下の罰金、またはその両方」が課せられることになります。
では、実際に空き家で見知らぬゴミが捨てられていた場合、どうすればいいのでしょうか?「捨てる現場を見たとき」と「捨てられた後」でそれぞれ解説します。
先ほども述べたよう、空き家に勝手にゴミを捨てることは不法投棄であり、犯罪になります。捨てる現場を目撃したときは、すぐに警察(110番)に通報してください。
この時、犯人に注意するなど、直接接触することは危険ですので避けるようにしてください。
そして、通報時には以下の情報を伝えましょう。
ただし、不法投棄で警察に110番通報するのは「今、現行犯を見た!」など、緊急を要する場合のみですので、通報のタイミングには注意が必要です。
おそらく多くの場合が「空き家に久しぶりに帰ったら、見知らぬゴミがたくさん捨てられているのに気づいた」など、後になって発覚するケースだと思います。
そのような場合は、自治体に連絡をするのが基本になります。
環境省では、不法投棄を発見した際の連絡先について以下の情報を公開しています。
捨てられたゴミが一般廃棄物(一般家庭から出たゴミ)か、産業廃棄物(法人から出たゴミ)かどうか判断するのは難しいと思います。まずは自治体の環境課や生活環境課などに連絡し、今後の対応を相談するのがよいと言えそうです。
基本的に警察は民事不介入なので、不法投棄の場合は現行犯であったり、不法投棄物に明らかな危険性がないかぎり、自治体を頼ることになります。
ただし、何度も繰り返されるといった悪質なケースや、防犯カメラなどで犯人を特定できる客観的な証拠がある場合には、警察が動いてくれる可能性があります。
その際は、通報ではなく、最寄りの警察署や交番などに連絡して相談しましょう。
不法投棄されたゴミは、不法投棄を行った人に処理させるのが原則です。ですが、犯人が分からない場合は、残念ながらその土地の所有者(管理者)が撤去することになります。
これは、廃棄物処理法にて「土地又は建物の占有者は、占有又は管理する土地・建物の清潔を保つように努めなければならない」とされているためです。
非常に腹立たしいことですが、自治体や警察に相談しても片付けは自分自身で行うしかないのです。
「結局自分で片付けるなら、自治体に相談しても意味がないのでは?」と思うかもしれませんが、それは間違いです!自治体に相談するこで、次のような支援を受けることができますよ。
自治体では、不法投棄が行われやすい場所や過去に被害のあった場所のパトロールを行っています。きちんと被害報告をすることで、空き家がある地域もパトロールの対象にしてくれたり、特に注意してみてくれるようになります。
不法投棄の相談や被害が多い箇所には、自治体が要望を受け監視カメラや看板の設置してくれることがあります。再発防止はもちろん、万が一また被害に遭ったとき、犯人捜しの重要な手掛かりになります。
基本的には、自治体が私有地の不法投棄物を回収してくれることはありません。ですが、処分方法などについてアドバイスをしてくれますよ。
また自治体によっては、一定の要件を満たすことで無料撤去に対応してくれることもあるようです。(※参考:足立区の不法投棄対策について)不法投棄の被害にあったら、まずは一度相談してみましょう。
自治体は不法投棄物の中から個人を特定できるものを探したり、監視カメラに映像が残っている場合には警察に捜査を依頼してくれます。ご自身で処分してしまう前に、まずは自治体に問題解決につながる情報がないか確認してみましょう。
一度不法投棄された場所は、また繰り返し被害に遭う可能性があります。不法投棄を繰り返されないためにも、ご自身で空き家の不法投棄防止対策を行いましょう。
人が住んでいない様子や、放置されてることが分かる空き家は不法投棄のターゲットになりやすいので、注意が必要です。具体的には、次のような特徴があります。
不法投棄を行う人は、人目のない場所を好みます。ですので、きちんと空き家を片付けたり管理することで、人目があることをアピールすることが大切です。
庭の草木が伸び放題になっていると、人の出入りがないことを悟られるだけでなく、伸びた草木が目隠しになり、ゴミが捨てやすかったり、捨てられたことに気づきにくくなります。
まずは、雑草処理や庭木の剪定を行い、外観を整えて見通しをよくしましょう。定期的に雑草処理を行うのが難しい場合は、再び生えてこないように除草剤を散布したり、除草シートを敷くのもおすすめですよ。
庭にあるゴミを捨てずに放置していると「ここに捨てても大丈夫」と思われ、不法投棄がエスカレートする危険があります。最初は空き缶のポイ捨て程度だったのが、次第に家電や家具まで持ち込まれることも。
そのようにならないためにも、捨てられたゴミはもちろん、所有者自身が放置している不用品があれば必ず撤去しておきましょう。
新聞・カタログなどの定期購読の解約手続き、旧居宛ての郵便物を新居に転送してもらえる郵便局の転送サービスを利用するなどして、郵便物の整理をしましょう。
どうしても直接投函されるチラシをとめるのは難しいので、出来る限り定期的に回収するようにしましょう。
防犯カメラの設置は、空き家の管理がしっかりとしている印象を与えるので非常に有効です。万が一、不法投棄されてしまっても証拠を残すことができます。
不法投棄は夜間に行われることが多いので、暗い場所でもしっかりと撮影ができるカメラを設置するのがおすすめです。
カメラに加え、センサーライトの設置もおすすめです。人の動きを感知すると自動で点灯し、周囲を明るくしてくれます。また明るくなることで、防犯カメラの映像もより鮮明になります。
最近では防犯カメラ型のライトや、音声威嚇機能を兼ね備えたものもあります。比較的低コストで取り付けられるアイテムの一つです。
空き家に柵やフェンスなどを設けることで、物理的にゴミを持ち込めないようにできます。人の背丈ほどの高さにしておくと、家電や家具など、大型ゴミを捨てられるリスクも軽減できます。
ご自身で空き家の不用品を撤去したり、庭の片付けを行うのが困難な場合は、不用品回収業者や町の便利屋を利用するのも一つです。費用はかかりますが、短時間ですべての作業をしてくれるというメリットがあります。
また、「空き家管理サービス」といって空き家の掃除や郵便物の回収、巡回を代行してくれる業者やシルバー人材センター(※参考:空き家等見守りサービス-公益社団法人福岡市シルバー人材センター)があるので、遠方に住んでいる方は利用を検討してみるのもよいでしょう。
不法投棄はどうしてもご自身で対応しなければならないことも多いのが現状です。まずは空き家を適切に管理することで、不法投棄を防いでいきましょう。