身の回りから始める防災・減災:水害を防ぐ片付けのコツ

更新日:2025年1月31日

身の回りから始める防災・減災:水害を防ぐ片付けのコツ

近年、日本各地で台風や大雨による水害が頻発しています。これらの災害は予測可能だからこそ、事前の備えが「減災」につながります。防災グッズや非常食の準備に加え、家の周りの片付けや雨どいの点検など、日頃からの対策が重要です。雨が降り出し、風が強まってからでは対策が難しくなるため、早めの準備で被害を最小限に抑えることができます。

1.水害による主な被害とその原因

大雨や豪雨による被害事例は、自然災害がもたらす大規模な影響と日常の備えが十分でない場合に発生しやすくなります。

  • 【被害事例】
  • ・豪雨により庭に置いていたガーデンテーブルが流され、家の壁が損傷した
  • ・裏庭に置いていた不用品が大雨により流され、歩行者がケガをしてしまった
  • ・庭木が折れて、隣家の外壁が壊れた

これらの被害事例からも分かるように、普段からの備えや適切な片付けが被害の軽減につながります。

2.「片付け」が防災・減災になる理由

片付けは、水害対策として重要な防災・減災の取り組みです。浸水や流出の恐れがある物を事前に片付けることで被害を抑えることができます。また、庭や屋外に放置された不用品やゴミは、洪水時に家屋を壊したり、排水路を詰まらせて被害を拡大させるリスクがあります。

さらに、片付けが進んでいる環境は被害を受けた場合でも早急の復旧を可能にします。環境を整えることで二次被害を防ぐだけでなく、水害による影響を最小限に抑えることができます。このように、日頃から片付けを進めておくことは水害発生時の被害の軽減と安全確保のカギとなります。

3.片付けで始める水害対策のポイント

「水害が発生した際、被害を最小限に抑えるためには事前の準備が重要です。その中でも、片付けは基本かつ効果的な対策です。

①不要な物を処分する

水害に備えるためには、不要な物を事前に処分することが重要です。家の中が整理整頓されていれば必要な物をすぐに見つけられることで避難時の混乱を防ぎ、避難経路を確保することで安全性が向上します。不要な物を事前に処分すれば、浸水時の被害や片付け作業の負担を軽減でき、散乱物による二次被害も防ぐことができます。また、重要書類や貴重品を整理・収納することで紛失や損傷のリスクを低減できます。

②家具や家電を見直す

  • 不要なものを整理し、必要最低限の状態に
  • 不要な家具や家電、古くなった家具、使っていない家電は事前に処分し、必要最低限のものだけを選ぶことで浸水時の被害を軽減でき、復旧作業の負担を減らすことができます。

  • 配置の工夫で被害を抑える
  • 貴重品や電子機器を床近くに置いたままにしておくと、水害時に大切な物を失うリスクがあるだけでなく、感電の危険性も高まります。そのため、高い場所への移動や防水ケースの活用を心がけましょう。また、家具や家電を床から少し浮かせる工夫や、水害に強い素材で作られたものを選ぶことも有効です。

  • 避難経路を確保するための見直し
  • 家具や家電が避難経路を塞いでいると、緊急時の行動が遅れる可能性があります。特に通路や出入口付近の配置を見直し、スムーズに移動できる状態を整えましょう。また、家具を整理することでスペースが広がり、防災用品の準備や保管がしやすくなるというメリットもあります。

これらの対策を取り入れることで、被害を最小限に抑えながら生活の安全性を向上させることができます。家具や家電の見直しは日常生活の延長線上で行える水害対策の一つです。早めに取り組むことで、いざという時に備えた万全な環境を整えましょう。

③庭やベランダの点検

水害時、庭やベランダに放置された物が飛ばされたり流されたりすることで、近隣に迷惑をかけたり被害を拡大させる恐れがあります。事前に以下の対策を行いましょう。

取り組み内容 具体的な方法
排水溝の掃除 落ち葉やゴミを取り除き、水の流れを確保する
不要な物の片付け 植木鉢やゴミを処分する
大型の物を固定または移動 自転車やプランターは室内へ、大型物はロープで固定
家の周囲の点検 吹き飛びそうな物を安全な場所に移動または処分する

これらの対策を実践することで被害を最小限に抑え、安全に備えることができます。

④物置を片付ける

物置を整理することは、水害対策に直結する大切なステップです。

物置に放置された不用品は水害時に流出して近隣に迷惑をかける可能性があります。また、物置が固定されていない場合には倒壊したり流されたりして、家族や近隣の安全を脅かすことも考えられます。

不要な物を処分する

物置に不用品が溜まると、水害時に流出して周囲に被害を与えたり、倒壊リスクが高まったりします。古いDIY用品、壊れた家電製品、子供のサイズアウトした洋服、壊れた自転車などの使わない物を処分することで、物置にスペースを確保できます。そして、その空いたスペースに防災グッズを収納することで、災害時の安心につながります。

物置を頑丈に固定する

地面への固定や耐久性の高いアンカーを使うなど頑丈な固定方法に改善することで、物置が水害時に倒壊したり流されたりするリスクを大幅に軽減できます。

⑤庭木の伐採

庭に木を植えることで風景を楽しんだり、目隠し効果を得られますが、手入れ不足の庭木は水害の原因になる可能性があります。大雨時、葉が密集した気は雨水を吸収して重くなり、倒木や流木となるリスクが高まります。これが住宅や道路に被害を及ぼすことも少なくありません。

対策として、定期的な剪定や伐採が重要です。庭木の高さや枝を調整することで雨水がたまりにくくなり、木の安定性が保たれます。手入れが難しい場合は専門業者に依頼するのも有効な方法です。

4.まとめ

水害は私たちの生活に大きな影響を与える災害ですが、事前の備えと日頃の片付けによって被害を最小限に抑えることができます。

日々の小さな行動が大きな安心に繋がります。大雨や豪雨に備えた「片付け」は防災の一環としてとても重要な取り組みです。備えは「いつか」ではなく「今」から始めてみましょう。

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