更新日:2026年8月4日
近年では、大雨被害が大規模化してきたり、これまで浸水を想定していなかった場所でも、突然冠水や浸水が発生したというニュースを目にすることが増えてきました。
「家の中が浸水してしまったらどうしよう…」「万が一のため浸水対策を備えておきたい」とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は大雨・豪雨シーズンに備え、自宅の浸水対策や自宅に常備しておくと安心の浸水対策グッズをご紹介します。

もしも大雨などによって家の中が浸水してしまった場合、次のような被害が発生する恐れがあります。
ソファ・ベッド・タンスなどの家具、冷蔵庫・テレビ・洗濯機などの家電は、水に浸かってしまうとひどい変色や汚れ、木部の腐食などの傷みが発生したり、故障の原因になります。
家財装具は、一度水に浸かってしまうと衛生面や安全面の問題から、丸ごと買い替えが必要になるなど、非常に大きな被害をもたらす可能性があります。
室内の浸水は、床や壁といった建物部分にも大きなダメージを残します。水を吸い込んだフローリングは膨張や反りが起こったり、湿気を含んだ畳はカビや悪臭の原因になることがあります。
見えない内部の腐食につながるケースもあり、被害の程度によっては、大規模な修繕工事が必要になることもあります。
一度浸水してしまうと、室内に入り込んだ水を掻き出したり、建物内部までしっかりと乾燥させるのは、容易ではありません。また、浸水した水には泥や汚れ、下水が混ざっているケースもあり、臭いの原因になることがあります。
さらに、表面上は乾いているように見えても、内部に湿気が残ることで、後からカビや悪臭が発生することもあり、こうした環境は、感染症やアレルギー症状、健康面へ影響を及ぼす恐れもあります。
もしも自宅が浸水し、先ほどご紹介したような被害が実際に起きてしまった場合には、次のような片付け作業が必要になることが想定されます。
汚水や泥水を掻き出しはもちろん、水に濡れ、ずっしりと重たくなった家財を運び出すのは、かなりの重労働です。
また、家財の買い替えや住宅の修繕が必要となれば、生活の立て直しにはある程度のお金もかかり、浸水後の片付けにおける肉体的・精神的な負担は、相当のものになるといえます。
そのため、万が一に備え、日頃から浸水に関する情報収集をしたり、自宅でできる浸水対策を準備しておくことがとても大切です。
浸水被害が広範囲に渡る場合、自治体では被害があった世帯に向け、様々な災害支援を実施することがあります。
また、民間にも浸水被害後の片付けや災害ゴミの回収に対応している専門業者もあります。
万が一に備え、このような支援制度があることを知っておくと、いざというときも安心です。災害時には、お住まいの自治体のホームページや公式SNSなどで最新の支援情報を確認するようにしてくださいね。
大雨や豪雨による被害は突然起こることも多く、「発生してから備える」では、充分な対策がとれないこともあります。そこで、事前に自宅でできる浸水対策や被害を軽減できる方法をご紹介します。

国土交通省「ハザードマップポータルサイト」では、住所を入力することで、「洪水」「土砂災害」「高潮」「津波」など、その地点の災害リスクを調べたり、最大想定規模の降雨による浸水範囲や、指定緊急避難場所などを表示させ確認することができます。
ハザードマップで浸水のリスクが高い場所、避難経路や避難場所をしっかりと把握しておくと、いざという時に迅速な避難や対策に繋げることができますよ。

落ち葉やゴミが下水道の側溝や雨水ますに溜まっていると、大雨の際に、雨水が流れにくくなり、道路や敷地内に水が溢れやすくなります。
側溝や雨水ますをこまめに掃除をしておくことも、大雨時の排水不良による浸水の対策になるので、ぜひ日頃から目を配ってくと良いでしょう。

屋根や外壁が劣化していると、雨漏りや建物内部への浸水が発生するおそれがあります。
ひび割れや破損、シーリング材の劣化などがないか定期的に点検し、必要に応じて補修を行いましょう。また、雨どいの詰まりや破損も浸水の原因となるため、あわせて確認しておくことをおすすめします。

浸水の浅い初期段階や小規模な水害、避難指示前など、早い段階でできる一番の対策は、土のうの設置です。
「土のう」は、袋に土や砂を詰め積み上げることで、水の流れをせき止める水防用の袋。主な使い方は、土のうを数個積み重ね「水防壁」をつくることです。
ご自宅であれば、下記のような場所に設置することで、室内への浸水対策として役立ちます。
土のうは、一袋に約15~20kg程の土が入っており、その重さを活かして積み重ねることで、高い止水効果を発揮します。
浸水対策には欠かせない土のうですが、実は以下のようなデメリットもあります。
大規模な雨の被害が予想される場合、自治体が予め土のう袋の供給を行うことがありますが、すぐに取りに行くこと難しかったり、「一般家庭での用意が大変…」という課題があります。
近年ではより手軽に緊急時の浸水対策ができるよう、土のう以外のアイテムを使った浸水対策が注目されています。
以下に、具体的なアイテムをご紹介します。
「水のう」は、中身を水にかえた簡易土のうです。
重ねたゴミ袋に水を入れ、口を縛るだけでつくることができ、使用後の後処理は中身の水に流すだけ。緊急時にも素早く簡単にできるというメリットがあります。
ただし、土のうと比べると「破れやすい」「重ねると滑りやすい」「完全に水嚢が水に浸かると浮いてしまう」可能性があるので、下水の逆流対策として活用するのがおすすめです。
具体的には、あらかじめトイレやお風呂など、排水口に水のうを置いておくことで、急激な水位の増加による水の噴き出し(逆流)を防ぐことができます。
水のう袋として丈夫な素材で繰り返し使えるタイプや、水タンクとして活用できるタイプもあります。コンパクトなうえ、防災用品としての汎用性が高いので、備えておくと安心です。
水のうとは別に「吸水ポリマー」を用いた吸水式土のうが注目されています。
水を含ませるだけで短時間で膨らみ、十分な重さになるため、従来の土のうと同じように水防壁として高い止水効果を発揮します。
使用前は薄くて軽くいので、女性や高齢の方でも、いざという時にすぐに準備ができます。使用後に3~4日乾かせば一般ゴミとして捨てることができます。一般家庭での備蓄がしやすく、本格的な浸水対策として非常に優れたアイテムです。
より浸水対策を強化したいという場合には、防止シートや防水テープの併用もおススメです。
防水シートや防水テープ単体では、風や水圧によってめくれる可能性もあります。土のうの隙間、玄関の扉やシャッターの隙間を埋めるなど、土のうと組み合わせ、補助的な役割で使うことで、より浸水防止効果が期待できます。
家具などの移動は、浸水の恐れがある場合には有効な対策です。
電化製品や家具を2階に移動する、畳を食卓などの上に載せることで、浸水による被害を軽減できます。他にも、自家用車を安全な場所へ移動させるのも重要です。
家財道具の移動は、どうしても時間がかかるので「水が見えてから」「避難指示が出てから」では遅く、移動中に危険な状況に巻き込まれることもありえます。
気象庁の警戒レベル3(高齢者等避難)が発令されたタイミングや、「側溝から水があふれ始めた」など、浸水の恐れが高まった段階で、早めに移動させましょう。
同様に貴重品や重要書類の移動や保護も欠かせません。
水に濡れて紛失したり、破損してしまうのを防ぐためにも、高い場所へ移動させましょう。また避難用に防水性の高いリュックや鞄を用意しておけば、保管や持ち歩きもでき、いざという時にも安心です。
浸水の備えは、日頃からの意識と準備がなにより大切です。事前に情報を知っておくだけでも、「もしも」の時も、落ち着いて行動しやすくなります。
ただし、ご紹介した対策は、浸水の浅い初期段階や小規模な水害、避難指示前に行うことが前提です。
避難指示がでたり、浸水が現実になったら、無理をせず、まずはあなたと家族の命を守るために避難を優先してください。